あわや難を逃れたイタチ↓
あれは、まだ初夏だった。
イタチを散歩に連れていった。
イタチは散歩にいくと、
近所の人にすごく不思議がられる。
「あー、びっくりした。
リスかと思った。
いやー、戦時中は満州では
リスを飼うのが流行ってて
金の鎖をつけて飼ったものだよ」
と、全く見知らぬ人から戦時中の
満州のペット事情を聞くこともしばしばだ。
ところで、このイタチ。草むらが大好きだ。
散々遊ばせて、土を掘らせて帰ってきたら…。
「あれ？」
後ろ足の肉球に小さなほくろができていた。
「なんだ？ほくろ？ごみ？」
それは洗ってもとれなかった。
まあいいやー、と思ってあまり気にしないでいた。
しかし2日後…
「あー！！」
ほくろはでかくなっていた。しかもそこから、足が生えているではないか…。
「やだー！もしかして、これダニ？？」
焦った。
だって…、確かこのダニ、しっかり食いついていて
無理に引き剥がすと頭だけ残るってシロモノなんだもん。
下手すると手術が要るかも？？
あわてて色々考えた。
「待てよ。麻酔を虫にかけたらどうだろうか？？」
我が家には表面麻酔剤「キシロカインゼリー」なるものがあった。
（医者（人間の）で、処方してもらえます）
「これ、ぬればいいんじゃない？」
心配そうな相棒を横目に、イタチをがっしりつかまえて
ダニの上からぬるりと塗った。
しばらくして、そーっとピンセットでとると…
簡単にダニは、イタチの肉球から離れました。
「頭も残ってない。よーし！」
ということで、危うく難を乗り越えたのだった。
後で調べたところ、どうやら「マダニ」というダニで
稀にマダニによる感染症があるらしい。
今のところ、うちのイタチは大丈夫そうであるが
草むらは危険だと思い、以来外の散歩は控えている。
キシロカインゼリーがなければ、
フェミニーナ軟膏やウナコーワクールにも同等の
麻酔成分が入っています。
（でもウナコーワはしみるかもなあ…）
